遺伝検査は何種類?

今週読んだ本は、ポプラ新書の「変わる遺伝子医療 私のゲノムを知るとき」でした。著者の方は医師で遺伝カウンセリング外来をされています。

遺伝子検査と遺伝学的検査の違いってご存知でしょうか。簡単に言うと(後天的な)癌細胞の遺伝子を調べることと、先天性疾患の素因を遺伝学的に調べることは目的が違うということです。染色体の形を見る染色体検査、DNA配列を読む検査などなど、一口に遺伝検査といっても方法と目的によって、いろいろあります。

現在、多くの遺伝検査ができるようになってきていますが、たくさんの問題点もあります。検査を受けるとサプリメントが送られてくるという怪しいものもありますしね。
私は以前から先天性疾患の遺伝検査の問題点として、ある部位(遺伝子座)の遺伝子配列を読むことによって、将来病気が発症するかもしれない素因がわかってしまうことが心配でした。そのことが有効に働くことよりも、その本人や家族が苦しむことになったら検査を受けないほうがよいということになります。しっかりと遺伝学的検査を理解した人に相談にのって欲しいですよね。
著者の先生は遺伝カウンセリングという業務で検査をする目的とその結果が出た時の影響を患者さんによくお伝えして、判断してもらうというプロフェッショナルなお仕事です。本もわかりやすく書かれていてとても勉強になりました。

とくに「遺伝子と病気の因果関係については、単一遺伝性疾患以外は単純でない」というところと、「一般の医師であっても遺伝学的検査の特徴や複雑さを十分に理解していない人もいる」という部分には考えさせられました。
皆さんも是非ご一読を。


(026)変わる遺伝子医療 (ポプラ新書)
ポプラ社
古川 洋一

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